【対談】&Here TOKYO UENO 田口様
リサイクル回収パートナー対談について
この対談では、マイングループが取り組むリサイクル原料化の一環として、使用後のアメニティの回収にご協力いただいている施設様にご登場いただき、アメニティの採用に至った経緯や、運用開始後に直面した課題や得られたメリットについて、弊社企画小玉がお話を伺います。リサイクルの導入を検討されている宿泊施設様にとって、参考になる内容になれば幸いです。
& Here TOKYO UENO フロントマネージャー 田口様
日鉄興和不動産が手掛ける初のホテルブランドとして 2023年3月に開業した& Here TOKYO UENO。同ホテルのフロントマネージャー田口様にご協力いただき、リサイクル回収パートナーとしての取り組みについて伺いました。
マイン小玉 : 本日は貴重なお時間いただきありがとうございます。早速ですが、&Here TOKYO UENO様について簡単にご紹介いただけますか?
田口様 : &Here TOKYO UENO は、今年の3月15日にオープンしたばかりの新しいホテルです。日鉄興和不動産が手がける初めてのホテルブランドで、1号店となります。ファミリー層や長期滞在のお客様に向けた仕様が特徴で、二段ベッドの客室が多く、全145室のうち約100室にはキッチンが備わっています。暮らしながら泊まり、泊まりながら暮らせるホテルを目指しています。
マイン小玉 : ありがとうございます。環境配慮やサステナビリティに対して、重要視されていることがあればお教えください。
田口様 : はい、日鉄興和不動産としても、SDGsへの取り組みを全社で進めています。新しく建てるホテルにおいても、SDGsやサステナビリティ、環境配慮を重視してきました。特に、ホテルとしてできることを考え、アメニティ選定においてもこれらを大切にしています。簡単に言えば、ただのプラスチック製品は避けるべきだという共通認識が社内にありました。
マイン小玉 : ご紹介いただける施設内での取り組み例があればお教えください。
田口様 : 代表的な取り組みとしては、中庭に配備された「ロスプランツ」があります。イベントやビジネスエリアで使われた植栽を再利用し、中庭で再生させています。また、屋上の緑化にも取り組んでいます。
バイオマスアメニティ検討のきっかけと選定理由
マイン小玉 : 弊社のバイオマスアメニティに興味を持っていただいたきっかけ、ポイントを教えていただけますか?
田口様 : バイオマスという点だけでなく、マインさんが企画から製造、納品までを自社で一貫して行える点にまず魅力を感じていました。アメニティの選定では、プラスチック以外のものにしようという方針があり、その中で竹を使ったハブラシをご提案いただいたんです。もちろん他社製品も検討しましたが、使用感には特にこだわりました。
マインさんのハブラシは竹素材ですが、竹っぽさがなく、幅広い層に受け入れられる感じがしました。弊社には外国人のお客様も多いので、彼らにとっても違和感なく使えるのが良いと感じました。
マイン小玉 : ありがとうございます、嬉しいですね!他にも弊社バイオマスアメニティをご採用いただいた理由があれば教えていただけますか?
田口様 : 竹バイオマスという点で、地元地域の問題になっている竹を活用していることが魅力でした。日本各地で起こり得る竹害に注目し、地域貢献に力を入れている説明にマイン営業さんの熱意を感じました。
また、当ホテルは長期滞在のお客様が多いので、私自身も一週間ほど同じハブラシを使って他社製品と比較しましたが、御社の製品は圧倒的に持ちが良かったです。製品の品質も採用の大きな理由でした。
↑ご使用いただいているハブラシ、ストレートブラシ
アメニティリサイクル検討のきっかけと選定理由
マイン小玉 : 弊社のアメニティリサイクルに契約いただくに至った理由や、ポイントを教えていただけますか?
田口様 : はい、一番の理由はやはりマイン営業さんの熱い思いです。自社で製造から販売、その先のリサイクルまで自社内で完結させようとする取り組みに、とても感銘を受けました。すべてを自社で循環させるという発想には驚きました。
他社からもリサイクルの提案はありましたが、その最終的な使い道が不透明で、魅力を感じづらかったんです。御社の取り組みは、アメニティを再びアメニティとして循環させるもので、そのプロセスが見える点が圧倒的に魅力的でした。リサイクルを前提に御社を選んだ理由の一つです。
バイオマスアメニティ、リサイクルの導入効果
マイン小玉 : バイオマスアメニティ導入に対する宿泊ゲストの反応や感想はありますか?
田口様 : 正直なところ、お客様から「このハブラシが良かった」と直接言われることはあまりありません。ただ、弊社で設置した回収ボックスにアメニティを戻していただいている様子を見ると、この取り組みに賛同していただいているのかなと実感しています。マイン営業さんから、他の施設では6割ほど回収できていると伺いましたが、私たちの施設ではそこまではまだ達していません。それでも、回収率が上がっていけば、それこそがゲストからの反響だと感じています。
リサイクルプロセスへの期待と準備
マイン小玉 : 分別や回収にあたって、事前にどのような準備や対応を検討されましたか?
田口様 : 最初は漠然としていたので、まず清掃業者に「この取り組みを始めるので、客室から出たハブラシは捨てないでください」と伝えていました。しかし、最初はなかなか集まらず、私もゴミの管理をしていたので、ゴミ袋にハブラシが入っているのを見て、これではダメだと感じました。どうすればいいのか悩み、マイン営業さんにも相談しました。
取り組み自体は簡単そうに見えますが、実際には清掃業者への協力依頼や、現場で働く外国人スタッフへの理解を浸透させるのが大きな壁となりました。
マイン小玉 : そうですよね、アメニティを決定するまでも大変だったと思いますが、現場への周知はそれ以上に難しい部分かと弊社でも感じていました。現場での作業の周知に関して、もっと弊社でもお手伝いできることがないか、私たちも検討していきます。
マイン小玉 : また、実際に回収が始まって内外の反響はありましたでしょうか?
田口様 : 当ホテルのインスタグラムに回収に関するリール動画を投稿していますが、かなりの再生回数と「いいね」をいただいています。このことから、宿泊者だけでなく、外部のお客様にも&Here TOKYO UENO の取り組みに興味を持ってもらえていると感じています。
マイン小玉 : 新たに発生した課題や、改善されたことがあれば教えてください。
田口様 : まず、回収ボックスを用意したことで、清掃業者からは「ゴミ箱に手を入れなくて済むようになり、仕分けが楽になった」と好評です。しかし、一方で課題もあります。ボックスの中にはハブラシだけでなく、ヘアブラシや子供用のハブラシ、さらにはレザー(カミソリ)も混ざっています。一口にハブラシと言っても、私たちの場合は二種類あるため、仕分けが次のステップの課題となっています。やるからにはできるだけ御社に迷惑をかけたくないと思っているので、異なるアイテムが混ざらないようにしていきたいです。
今後の展望とパートナーシップ
マイン小玉 : 今後、御社としてはサステナブルな取り組みをどのように広げていきたいとお考えですか?
田口様 : 私たちのブランド方針として、SDGsに関与し貢献することを目指しています。直近の課題として、シャンプー類をオーガニックに変えることなどや、客室にあるシャンプーボトルの素材を見直すことが挙げられます。改善できるポイントはまだまだあると思っています。
マイン小玉 :サステナブルな取り組みは、& Here TOKYO UENO様 にとってどのような意味を持つとお考えですか?
田口様 : 現在、多くの企業が求められていることですが、これをホテルのブランドとして確立できれば、サステナブルな貢献が可能になり、それがブランドのポリシーやコンセプトに繋がると思います。一人で「サステナブルな取り組みをしています」と言うのは難しいですが、ホテルを通じてスタッフも社会貢献を実感できるようになれば、ホテルの存在価値や介在価値が生まれるのではないでしょうか。
マイン小玉 : 弊社とのパートナーシップを通して期待すること、今後の関係について展望があればお聞かせください。
田口様 : 今回、ブランド一号店のアメニティを選定できたことを嬉しく思っています。ぜひ御社のバイオマスアメニティを、& Hereの基盤として、「どこのホテルでもこれを使っている」と認識されるようにしたいです。
先日、マイン会長ともお話しした際に「ゴミを全く出さない工場にしたい」とおっしゃっていたのが非常に印象的でした。こうした本気で社会貢献に取り組む企業と一緒に働けることは、我々にとっても大変ありがたいです。ゴミゼロを実現できた際には、ぜひその工場を見に行きたいと思っています。会長の熱意あふれる話を聞き、私たちの役員も驚いていました。会長が一番パワーを持っているとも感じました。
施設の紹介とPR
マイン小玉 : 最後に、御社の施設の特徴や今後お客様にアピールしていきたいポイントがあればお聞かせください。
田口様 : 当ホテルの特徴として、二段ベッドやキッチンが備わっている点があります。また、大人6名まで宿泊可能な、都内では珍しい大人数向けの部屋も魅力の一つです。さらに、大浴場や季節ごとのイベントを通じて、日本の文化を体験していただける機会も提供しています。宿泊の際には、ぜひこれらの体験を楽しんでいただき、「&Here TOKYO UENO ではこういうことができた」と感じていただければと思います。
マイン小玉 : 本日は貴重なお時間とお話しありがとうございました。今後とも末長くよろしくお願いいたします。
対談を終えて(マイン小玉)
リサイクル回収パートナー様との対談第1回目で緊張しましたが、田口様の温かい人柄とお言葉で、すぐにリラックスできました。田口様も言われる通り、サステナブルな取り組みは一人では難しいですが、仕事を通して参加することで従業員のモチベーション向上にもつながると感じます。宿泊ゲストの立場でも、このような取り組みをしている施設に泊まりたいと思うものです。私も二段ベッドのお部屋に泊まってみたいです!
企画の立場として、普段お客様と話す機会が少ない中で、生の声を聞けたことはとても有意義な時間でした。弊社の竹バイオマスとリサイクル事業は、私たちだけでは広めることができないので、これからも誠実に研究開発を続け、賛同してくださる施設様を増やしていきたいです。
田口様、&Here TOKYO UENOの皆様、貴重なお時間をありがとうございました。
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